免疫系サプリって何?
お客様や営業の方に「免疫系サプリは何を扱っていますか」と言われることがあります。
「免疫系」面白い表現だなって思います。それで、このコラムを書くことにしました。
免疫は大きく分けて細胞性免疫(自然免疫とも言う)と液性免疫(獲得免疫とも言う)の2つがありますが、体に備わった免疫は実に巧妙な仕草をします。
例えばインフルエンザに罹患したときに免疫はどのように働くのでしょうか。インフルエンザのウイルスの様にエンベロープを持つウイルスに対しては細胞性免疫が初期に応答します。感染細胞が分かりやすいので感染細胞ごと壊してしまおうとするのです。
しかし、ウイルスの増殖が早く、壊すのが追いつかなくなると感染細胞を壊すのを緩めてしまいます。何故かというと破壊しすぎては体が壊れてしまうからです。
その絶妙な働きは免疫の持つバランス力なんだと思います。
抗ウイルス薬を使わない時代でもインフルエンザに掛かっても、多くの人は体の中で抗体を作りウイルスを不活化することで難を避けることができました。この時に抗体を作る免疫が液性免疫(獲得免疫)なのです。
その時の情報は抗体記憶細胞が長い間データを引き継ぎ守ってくれています。
はしかやお多福風邪も一度掛かったら一生(ではないが)掛からないと言われるのは抗体記憶細胞のおかげなのです。
しかし、液性免疫は抗体を作るだけの免疫ではありません。
ウイルスや細菌が侵入したときに、それを捕食するために食細胞である好中球を増やします。
その為に、採血検査で風邪の時も肺炎の時も白血球が上がるのですが、多くは好中球が増えているためです。
癌が体の中で発生すると2 週間程度は細胞性免疫が働きますが、その後は液性免疫が亢進すると考えられています。
考えられていると表記せざるを得ないのはヒトの体の中のデータが無いからです。
いつ癌が発生したのか分からない為に採血のデータなんて存在しません。有るのはシャーレの中の癌細胞と白血球の戦いのデータやマウスのデータだけなのです。
※ 図は藤原大美著中外医学社「腫瘍免疫学」より
この図を見ても分からないと思うので、少し説明します。
A:インターロイキン2やB:インターフェロンγ、C:腫瘍影因子αは腫瘍が発生したときの2~3週間は増加し、その後反転しています。これは細胞性免疫が2 ~ 3 週間で低下している証拠です。図のD:インターロイキン6は液性免疫がどんどんと亢進しているのを示しています。
即ち、癌が発生すると液性免疫が亢進して細胞性免疫が下がるということを示唆しているのです。
話は変わりますが、肺の中でカビが生える病気があることを聞いたことがあると思います。足や皮膚の水虫・たむしもカビですが、体の中にカビが生える深在性真菌症と言われる病気群です。
この時に白血球も上がりますが、採血で異常に上がるのがβグルカンなのです。それでは、癌の患者さんがこの深在性真菌症になったとしたら、癌は良くなるのでしょうか。
あまり例はありませんが、普通は癌の悪化も良くなることもありません。
βグルカンが液性免疫を亢進させるものなのですが、元々液性免疫亢進状態の癌患者にとっては大きな変化は無いからです。
BRMstage をご利用の方はグルカンが含まれる健康食品の摂取はお控えください。
もちろん、普通に食事で摂る量のキノコ類は避ける必要はありません。